未検査米って何だ?【前編】

更新日 2021.07.09

「未検査米」をご存じですか?
文字だけ見ると怪しさ満点??

「未検査米」とは?
「未検査米」とは?
現在では任意検査となった農林水産大臣より登録を認められた各検査機関で農産物検査を受けていないお米。

文字は何とも怪しく衝撃的な表現ですね。袋詰されているお米の表示に記載されていることがあるかもしれません。
しかし堂々とそういうものを名乗る、流通させるというのもおかしいですよね?何か理由があるのかもしれません。

なぜ「未検査米」が存在するのか?

今やお米の流通は自由
ルールとその背景

今やお米の流通は自由

以前は日本政府が生産から流通、価格を一括管理していたので(食糧管理法)、生産者から出荷されたお米を政府が買い上げるという仕組みでした。 世界との貿易交渉などで自由貿易が拡大し、関税の引き下げや関連する規制の緩和がなされてきました。 政府は管理をやめ、市場に任せるという流れになっていきます。結果、農業従事者に限らず誰でも自由に米を販売したり流通させることが出来るようになりました。(新食糧法)

現在の米流通は原則、自由となっています。生産者は従来のように農協に出荷している方もいれば、農協を通さずに独自ルートを開拓している方もいたりと様々なのです。スーパーや量販店、お米屋さんに農産物直売所にネット通販、生産農家から直接販売など、様々な場所、方法で購入が可能になりました。 (自由化の是非は横に置きます)
みなさんはどこでお米を購入されているでしょうか。

産地表示の義務

今やお米もいろいろな品種がありますので味や価格、安全性なども色々悩んでしましますよね。商品を選ぶ基準は何でしょう?消費者にとって多種多様なのは選択肢が増えて喜ばしいかもしれませんが、 種類が多すぎる又は類似商品が横並びとなると価格差が決め手になるというケースも多いのでないでしょうか。 販売者側はより競争を激化させていきます。そうなると不正がおこるもの。 自由に流通といってもルールは必要です。

〇 ある事件がきっかけ?

平成20年9月福岡県内で、食品衛生上問題のある事故米穀が食用等に横流されたことが発覚したことで、米穀や米製品全般にわたって消費者に大きな不信が生じました。

調査にあたって、事業者の取引等の記録や保存、整備が不十分だったことから、流通ルートの解明に長時間を要することになりました。そうなることで消費者の不安は増大し、やがてはまっとうな事業者の売上げまで減少してしまいました。

また、お弁当やレトルト食品、おせんべいや団子といったお菓子などの米加工品なども産地等がわからないことから不信が波及し、米市場全体に影響が及びました。

米トレーサビリティ法の成立
流通ルートと産地情報

流通ルートと産地情報

この事件を受けて、成立した法律です。 産地偽装など社会問題が発覚した時に流通ルートを速やかに特定しやすくするため、また消費者に対してお米やその加工品の産地情報を提供するために以下の2点を義務付けました。

消費者の安全を考え、かつ安心して食べてもらえるように業者は消費者や取引先に対して、産地の情報を伝えて、どこからお米を調達したかわかるように記録しておきなさい、ということです。
管轄官庁は農林水産省になります。

それでも「未検査米」??
キーワードは…

流通ルートがわかれば安全性や信頼度は向上するかもしれませんが、 「未検査米」はこの義務を果たしていないのでしょうか。

結論から言いますと、この義務を果たしていても「未検査米」のままです。
こちらの法は万が一事故等が発生した場合にすみやかに流通経路を特定し、原因を突き止めることが目的なのです。
また消費者庁ではこう説明しています。

未検査米も、都道府県名などの産地の表示ができるよう改正した概要はどのようなものですか。

平成23年7月1日の米トレーサビリティ法の完全施行により、米及び米加工品を対象に、産地情報を伝達することが義務化されました。これにより、国産米にあっては、「国内産」や「国産」のほか、都道府県名、市町村名や一般に知られた地名により、産地情報が伝達されることになりますが、従来の玄米及び精米品質表示基準では、農産物検査を受けていない玄米は、都道府県名などの表示を禁止しているため、これらの産地情報が消費者に伝達されない場合が生じます。
そこで、玄米及び精米品質表示基準第4条の原料玄米欄を改正し、農産物検査において産地証明を受けていない玄米についても、米トレーサビリティ法に基づき伝達される都道府県名等の産地を表示できるようにするとともに、同基準第5条の産地表示に関する表示禁止事項を削除しました。
また、現在も、都道府県名等の産地の表示をすることができる検査証明を受けた玄米における表示の方法と 区別することにより産地に関する検査証明の有無を確認できるようにするため、都道府県名等の産地の表示をする場合にあっては、当該産地の次に括弧を付して「産地未検査」と記載することとしました。

引用元:玄米及び精米品質表示基準Q&A - 消費者庁

大雑把に言うと一般消費者に玄米や精米を容器包装して販売するときは『玄米及び精米品質表示基準』(消費者庁)に従い未検査米は産地を表記しても必ず「産地未検査」と加える必要があるということです。
「産地未検査」とは、農産物検査法等による産地の証明を受けていない米穀のことをいいます。

「農産物検査」「産地未検査」というキーワードがでてきました。
未検査米はどうなるのか

<次のページ【後編】に続きます>
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